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世界のブランドからもオーダーが絶えない 卓越した技術が生む“コットン以上”の新素材

世界のブランドからもオーダーが絶えない 卓越した技術が生む“コットン以上”の新素材

世界のブランドからもオーダーが絶えない
卓越した技術が生む“コットン以上”の新素材

DEAR FACTORIES

Mar.18.2016

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体を包み込む立体的なフォルムや動いたときに生まれる波打つようなドレープ。それらを支えるのは、紛れもなく上質な素材です。
「ジャパンクチュール」に根ざすフランドルでは、この春、光沢感、柔らかさが際立つ“進化系コットン”を提案。それが「ベンベルグ®」(キュプラ)です。

素材の名前自体はすでに耳にしたことがある方も多いと思いますが、とても繊細ゆえ、裏地やランジェリーなどでしか使われてこなかったものを、シャツやスカートにしてしまおうという新しい試み。私たちにっておなじみの天然素材の驚くべき進化と、それにより生まれた“雰囲気のある本当に着心地のよい服”をお届けします。

しなやかさと艶やかさと—
生き生きとした女性らしさを印象づけるシャツ&スカート
「リーナ」

触れた瞬間、心地よさに頰がゆるむ肌に吸いつくような柔らかな素材感。その感動を遥かに上回るのが、袖を通し、動いたとき。“落ちる”“揺れる”“弾む”、まるで布が生きているかのような躍動感に気分が高揚します。シャツ地なのにラグジュアリーに映るから、上下セットアップで着ると、よそ行きのドレスのような面持ちに。

Point

  1. 1.肌も心も喜ぶシルクと見まごう素材感
  2. 2.“高見え”する上品な微光沢
  3. 3.自宅で洗えるから週3日以上着られる!

未体験のシルキー感はどのように生まれたのか――
その先の価値を形づくる播州織の産地へ

“餅は餅屋”。ものづくりにおいて、フランドルが大切にしている考え方です。その道のプロに力をお借りするからこそ、他にはない素材を生み出すことができるのです。では、なぜ、私たちがその素材を選んだのか−−。その生い立ちを辿ることで、見た目や着心地以上の価値に気づいていただけたら、そんな嬉しいことはありません。

ワールドクラスの生地を生むのは、“生地を楽しむ”純粋な思い

「イメージを生地にする。私たちは通訳の代わりだと思っているんです」。
そう語るのは、自然溢れる北播磨の地で、糸から染める織物“播州織”を企画・生産する株式会社丸萬の丸山恒生社長。
フランドルが、『キュプラのシャツやスカートを作りたい!』と真っ先に相談した生地のエキスパートです。

「この産地は、先染め(糸から染める織物)のメンズドレスシャツの生地からスタートしています。レディスを手がけ始めたのは本当に最近。2000年くらいですね。時同じくして、イギリスから帰国したテキスタイルデザイナーとコラボし始め、生地の企画を始めました。
その頃には、綿だけでなく、テンセルにはじまり、シルク、レーヨン、ストレッチなど、特殊な糸も扱うようになっていました。
キュプラもそのひとつです」

キュプラは、1900年初頭にドイツで生まれたもの。それを“日本オリジナル”で作ることができないかと考えた丸山社長。
あのシルキーな質感をどうにかアウターにも応用できないか、そう思ったのだそう。
しかし、それがなかなかの苦労を伴ったようで……。

「シルクに近い手触りや質感を作ろうとすると、どうしても細い糸になってしまう。細い糸はデリケートで切れやすいでしょう。
だから、織機のスピードを通常の生地よりだいぶ落とさないといけなくて、手間と時間がかかるんです。最近は織機も進化してだいぶスピードが上がりましたが、ここまでくるのに5、6年はかかりましたね。(値段が)高い糸だから、失敗するとえらいことなんですよ。
だから大抵の機屋は「触らぬ神に祟りなし」って、織りたがらないんです(笑)。
それに賛同してくれる数少ない機屋さんに 協力してもらい、時間をかけて実現したのが、フランドルさんでも使ってくれているキュプラの生地です。機械化が進み、昔に比べて生産性は上がりました。
しかし、この生地を具現化するために、たくさんの人の時間と手間がかかっています。職人による熟練の技術も不可欠です。要は、気持ちが込もっているんです。そんな生地で縫い上げられた洋服の本質的なよさは、着てくださる方にも伝わるはず。
そう信じて、日々、ものづくりに向き合っています」。

COLUMN

Play Fabric

生地を遊ぶ

「先染めの生地のおもしろさを伝えたい」という思いから、生地からさまざまな製品をつくる丸萬。1本の糸が持つ可能性をどこまでも引き出す発想力と技術力は、唯一無二と言っても過言ではないかもしれません。

  1. 1.この立体感、織りの表現力の高さに一同驚愕!有名ブランドのコレクションで使われたものだそう。
  2. 2.色彩豊かなストールやネクタイの重なり合うさまざまな柄は、すべて織で表現したもの。

世界で唯一ここでしか作れない最良の糸を求めて

良質な生地の命とも呼べる糸。生地のしなやかさや上品な光沢の原点はここにあります。
旭化成の「ベンベルグ®」(キュプラ)は、コットンが原料。ただし、綿花ではなく、コットンの種の周りに生えたうぶ毛の部分だけを使っています。現在、キュプラの糸をつくることができるのは、旭化成の延岡工場のみだというから、その希少性が分かることでしょう。

キュプラの原料となるコットンリンター。元はこんな、自然な生成り色。

完成した糸はツヤツヤ。繊維の表面がなめらかだから、しなやかで肌当たりのよい生地に仕上がる。

糸から染める— だからこそ守られる発色と風合い

播磨織の特徴でもある“先染め”。製品染めよりも時間を要し、染め上げまでに約10時間を要するのだそう。糸の状態から染め上げることで、色落ちが少なく、ストライプやチェックなど、柄を編み上げることができるのが特徴です。他の糸に比べて秀でてデリケートなキュプラ。その糸を、寸分の狂いなく鮮やかで艶やかに染め上げるのは、野間川の豊かな水(軟水)が染色に適していること、そしてなにより220年の歴史に支えられる播磨染工の技術力の高さの賜物です。

1時間半ほど真空状態で乾燥させて完成。乾燥機の巨大さは圧巻。糸一本一本に深い色あいが宿る。

キュプラは吸着性が強いため、職人が注意深く確認しながら丁寧に染め上げる。染め上げるまでに6〜8時間を要す。

クライアントの希望通りの色を作るには、過去のデータと職人の経験、そのふたつが不可欠。

納品された原糸は、押すと指が入るくらいの柔らかさに巻き直す。この一手間がムラのない染めにつながる。

繊細な糸を織り上げるのは人の目とハイテク織機

ここまできてやっと糸を生地にする織りの作業に入ります。先染めだからこそ、糸を織る段階で柄を表現することができるのが利点。キュプラのような極細い糸も高速、かつ正確に織り上げることができる最新鋭の織機を使っています。かつては、これをすべて手作業で行っていたというから驚くばかり。

先染めの糸だからこそ実現できる柄織り。チェック柄などベーシックなものをはじめ複雑な柄にも対応できるのだそう。

シルキーな質感の源は生地をリラックスさせること

生地は、織り終えたら完成ではありません。さらに生機(きばた)に加工を施し、質感や風合いをプラスしていきます。織りあがったばかりのこわばった生地を優しくリラックスさせるような感覚−−。フランドルで展開するキュプラを使った生地は、通常の生地に比べ約1.5倍の工程数をかけています。時間をかけてゆっくり緊張がほどかれ素直になった生地には、独自のやわらかさや光沢、毛羽立ちにくさ、縮みにくさが宿ります。

波打ちながら落ちてくる加工後の生地。しなやかに折重なり、ソフトな質感を物語っている。

ヘルドに何千本もの糸を通す作業は機械化が進んでいるが、今でも3割は手作業だというから驚くばかり。

織り上げる柄を想定し、柄組みされた糸。このビームを織機に取り付け、経糸として利用。

Other Variation

フランドルでは、ほかにもベンベルグ®の糸を使用して、デニムやニットに応用。カジュアルでも大人っぽく着映えする、オリジナリティのある素材づくりに励んでいます。今までに感じたことのない肌触りや洗練されたルックスを、ぜひ味わってみてください。

ドレスのように着られるデニム
「メープル®デニム」

年齢を重ねデニム離れしていた方にもぜひおすすめしたいのが、こちらの次世代デニム。デニムらしいこなれ感はありながら、クリーンでしなやかな表情!吸湿性が高く、いつでも軽やかにさらっとした着心地もポイントです。

  • デニムオールインワン ¥29,000(税抜)/イネド

しっとり艶やかニット
「Coo6」

このニットは、メーカーや工場の協力を経て開発した完全オリジナルの素材です。第二の肌のようなソフトな質感とエレガントな微光沢は、オフィスやちょっとしたおでかけにも着ていける上品さ。1枚で“なんだか素敵”な女性になれる、上質感を大切にしています。

  • ニット¥16,000(税抜)/イネド
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