メイドイン和歌山のスビンミックス天竺綿

「これを触ってみてください、、、。」
エイガールズの山下雅生社長から、そっと小さな綿の塊を手渡されました。
「あれ？えっ！？」
掌に乗った原綿は、驚くほどしっとりとした手触りで、柔らかな光を放っています。
引っ張ると細く長ーく伸びていく、、、。
「驚いたでしょ？スビン綿です。」
山下社長が微笑みます。

エイガールズは和歌山にあるニット産業です。
「世の中にないものをつくる」をコンセプトに、小規模でもこだわり抜くものづくりが姿勢のテキスタイル企業。
「ファッションビジネスは感動発生ビジネス。お客様をいかに感動させるか、それが一番大切」と山下社長は語ります。

スビン綿は、超長繊維綿に分類され、綿花生産量のわずか0．01パーセント以下の貴重な綿です。手摘みで収穫されるため、繊維が傷まず、ネップも出にくいとのこと。そういった生産背景があったから、大事に原綿を渡されたんだ…と思い知らされます。
きわめて稀少価値が高いスビン綿のなかでも特に安定して入手するため、エイガールズは産地との信頼関係を築いているそうです。
スビン綿を使用した素材は、そんなエイガールズの理念を体現するもののひとつです。

正直、綿なんてみんな一緒だと思ってました。がんがん洗って丈夫こそが取り柄の綿素材。こんなに優雅で繊細な表情を持っているなんて、今の今まで知らなかった。すでに原綿だけで感動しました…。

しかし、最高の原料があれば最高の生地ができるわけではないそうです。素材の良さを最大限に引き出すノウハウとテクニックが不可欠。それゆえ素材の研究、編み機の改良、開発にも重点を置いています。

ものづくりの理念を同じくする企業間のリンケージ(連携)を推し進めるエイガールズは、フジボウテキスタイル和歌山工場に生地の染色、加工を発注。エイガールズを代表するスビン綿素材も、こちらで多彩に染色しています。スビン綿について、糸の質が高い分、色も入りやすく、しっとりとした手触りはほかにはないそうです。

さらに和歌山工場独自の加工を施すと、滑らかな風合いや光沢が引き立ち、高品質な生地とマッチングした加工映えの良さとなる。

究極のクオリティーを求め、高品質の素材に先端技術を複合化する━そうして生まれた和歌山のスビンミックス天竺綿は、オンリーワンの美しい一着となっているのです。

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