FEATURE
デザイナー・丸一男の手の内
COLUMN
Oct.07.2015
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About Speaker
企画生産本部 商品開発室 デザイン企画担当 ディレクター
丸一男 Maru Kazuo
千葉県生まれ。東京モード学園ファッションデザイン学部を卒業後、フランドルに入社。学生時代、国際ファッションクリエーターコンテストで選出された経験をもつ。現在は、イネドを中心に、企画全体を指揮するディレクターとして従事。フランドルのものづくりを支える重要な仕事を担う。
フランドルの企画全体を指揮する、ディレクター丸一男さんに、ものづくりに対する思いを取材しました。
「自分の“我”を通したひとりよがりなものづくりをする。
それはデザイナーとは呼べないと、私は思っています。」
「冒頭の言葉。いつも思い知らされる言葉なんです。
ふだん店頭に実際に立つ機会があるのですが、お客様と直接触れ合うと、自分の理想のなかだけで
企画・デザインしてしまっていたなと」
━丸さんでも後悔することはあるんですか?━
「反省ばかりです(笑)
ファッション業界のトレンドを追い過ぎたデザインだと、フィッテイングルームから
出てこられたお客様にそっと囁かれることがあります。」
━何てですか?━
「、、、普通が良かったって(笑)」
━(笑)━
「ファッションには、素材、カラー、シルエット、ボタンやベルトの付属など、ありとあらゆるさまざまなトレンドが発生します。
こだわりの思いを追い過ぎた商品をデザインすると、お客様との間に距離が生まれてしまう感じです。
服をつくることが大好きなので、思いを込めすぎた時に、商品が作品になることもあるんです。
世界のマーケットやコレクションから見る旬のトレンドを知ることは重要ですが、
今は実際に街にいる方のファッションにヒントがあると思っています。」
━世界よりも身近なところに?━
「そうですね。ずっと着てもらいたいんですよ。
デザインでこねくりまわして、お客様に二歩先、三歩先のかっこいいで背伸びしてもらうのではなく、
首の開き具合やタックの入り具合、素材感など、ちょっとしたディテールや空気感で今年らしく見違える、
そのバランス感覚を大切にしたいんです。
それには街行くひとの“リアル”に触れなくては、バランスがわかりません。
デザイナーが思い描くイメージと、お客様のニーズのバランスのすり合わせは永遠のテーマですね」
━今着たい普通のアイテム、“スーパーベーシック”ですね?━
「はい。また着たい、、、とお客様に思ってほしいんです。
シャツもアウターもニットもボトムスも、昔から引き継がれる服を作りつづけています。」
━何か、お料理にも似た感覚ですね?━
「食べること、大好きです(笑)
そうですね。また食べたい!って思うレストランの一品は、素材、味付け、盛り付けなど、
ちょっとしたセンスの組合せで、いたって普通のメニューがとっておきの逸品に変わります。
そういったところでも、触発されるものはあります。」
━いろんな美味しいものを知ってそうです(笑)━
「自信があります(笑)
おすすめのレストランも紹介してますので、よかったらこちらも見てください。」
THE FLANDRE MAGAZINE―
CREATOR’S TRAY VOL.02『五感を刺激する上がるご飯』
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